関節リウマチの発症には様々なリンパ球が関与しており、その働きを制御する物質(サイトカイン) が異常に増えると免疫の異常が起こります。そのサイトカインもしくはリンパ球の働きを抑えるのが 生物学的製剤です。
 これによる治療の特徴は

1)抗リウマチ薬が効果不十分でも、有効となる可能性が高い。
2)関節における骨破壊を食い止めることができる。
3)場合によってはリウマチを寛解状態までもってゆくことが可能である。

 どのサイトカインをターゲットにするかによって、また製造法によって幾種類かありますが、 そのうち日本で保険適用のあるものが下の表に示されています。どれが最も効果があるかは人によって 異なります。

日本で用いられている生物学的製剤

                   

 一般名

ターゲットとなるサイトカインまたはリンパ球

     コメント(使用法・作用機序・効果・特徴など)

 製品名

インフリキシマブ
TNFα
(初回後は2週間目、6週間目、その後は8週間ごとに点滴)日本では最初に認可された生物学的製剤。 メトトレキサートとの併用が原則。
レミケード
エタネルセプト
TNFα / LTα
(1週間に1回、または2回筋注)ヒトTNF可溶性レセプター部分が、 過剰に産生されたTNFα 及び LTα を 、 おとりレセプターとして捕捉し 細胞表面のレセプターとの結合を阻害することで、抗リウマチ作用、 抗炎症作用を発揮すると考えられています 。
エンブレル
トシリズマブ
IL−6
(4週間に1回点滴)日本で開発された唯一の国産生物学的製剤で、他の生物学的製剤とは異なり、インターロイキン6(IL-6) というサイトカインの働きを抑えます。そのため、他の生物学的製剤が効かない場合に効果が期待できます。
アクテムラ
アダリムマブ
TNFα
(2週間に1回筋注)ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であるため,マウス由来の配列を含んでいません.
ヒューミラ
アバタセプト
Tリンパ球
(初回後は2週間目、4週間目、その後は4週間ごとに点滴) 関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し, さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化による マトリックスメタロプロテアーゼ,炎症性メディエーターの産生を抑制すると考えられます。
オレンシア

 生物学定期製剤は効果は非常に高いのですが、次のようなデメリットがあります。

1)免疫を抑制するので、感染症のリスクが増大する。
2)遺伝子技術を用いて製造にコストがかかるので薬価が高い。
3)その他、アレルギー反応など。
4)実施している医療機関が限られている。
 特に1)については注意が必要で、血液検査や胸部レントゲンなどを定期的に行い、 感染症を未然に防がなくてはなりません。 2)については身障2級以上で治療費の負担が軽減されていますが、 本当はリウマチの初期から使用できれば重症化するのが防げるわけですから、 国からの補助が切望されます。以上のような点がクリアーできれば、 実施する医療機関も増えてくると思われます。




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